P.グレゴリー卿『邪悪の石 本当は恐ろしいハリーポッター』

邪悪の石:本当は恐ろしいハリー・ポッター★★★☆☆ ワタシは「ハリポタはどーでもいいけどエマ・ワトソンは大好きだ!」ってぐらいのハリポタフリークですから,こんな本も読んだりするわけです.2部構成にわかれたこの本,第1部では,本全体の1/3を割いて「ホグワーツの真の目的は,生徒に黒魔術を教えることにあるんですよ」という観点からの作品解説が行われています.
ハリー少年はマザコンだったとか,ダンブルドア校長はホモショタで夜な夜な生徒を毒牙に……だとか,内容的には日本でもよく見かける謎本ですね.下品ですけど.
だいたい,原作を弄って笑いをとるというよりは,ハリポタの出版に反対するガチガチの教会保守派*1をおちょくる,というスタンスで書かれているため,これを日本で出す意味ってあんまりないよーな気がしますね.訳者の方もその辺を感じたんでしょうか,原題にない『本当は恐ろしい』なんてのを入れてみたりと頑張ってるんですが.
続く第2部では,本の2/3を使って『ダミアン・ポッターと魔法学校』というパロディ小説が展開してます.
11年間ドーン一家に虐待され続けたダミアン少年は,ホーメン魔法学校に向う列車の中で,実家から口減らしのために放出された少年マーク,性的虐待を加えた父親を呪うために魔術を学ぼうとする少女ベイロックと出会います.例の三人組がここで出会うわけです.
作中では,同じクラスになった3人の解剖学*2,呪い学,吊るしバレー*3などの授業風景が描かれていきます.ちなみに,7年間の在学期間を無事に修了できる生徒はほとんどいないそうですが.
そんな学校生活の中で,ロンマークはサキュバスに魅入られて夜な夜な魔界に出かけ,ハリーダミアンは自分の中に眠っていたドーン一家への復讐欲に目覚め,ハーマイオニーベイロックは一刻も早く呪い学をマスターするために個人授業を申し出ます

「そういう相談ですか……答はイエスです.条件付きですがね……わかりますか……まぁ,あなたは大人を良く知っているようですから……」そこで先生はいやらしくニヤリと笑う

……ところがですよお客さん*4,この先生ときたら吊るしバレーで下半身をイヌに齧られてるのでちんち○がなかったりするわけですよ!チキショー,日和りやがったなグレゴリー卿!そんな寸止めアリかよー!
……はぁはぁ,失礼いたしました.そんな感じで,グロ描写やや大杉感漂う小説になってました.
パロディとしてはこっちバリー・トロッターと愚者のパロディのほうが出来が良いよーな気がします.
残念ながら未だに一冊も読んだことないので,原作と比較することは出来ないんですけどね(えー

*1:本国では,子供達に魔術を教えるなんてとんでもない!と本気で主張している皆さんがいる模様.

*2:斧で解体します.何を?聞くなってば

*3:ロープでクビを吊り下げながらプレイする大人気スポーツ.プレイ中にロープが閉まったら死亡退場.下に落ちたら猛犬に襲われます.ボールにはマークの兄貴の頭が使われてました

*4:ハーマイオニーのパンチラ」で検索して飛んできた貴方を想定しているわけですが