★★★★☆『仮想儀礼(下)』(篠田節子)
- 作者: 篠田節子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/12
- メディア: 単行本
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ゲームブック界で鈴木と言えば正彦だよな! の巻 - ちょこないと日記@ジュナ;;
順調行くかに見えた宗教経営も,上巻ラストでムスリムと揉めたのがケチのつきはじめ.
あとはもう転がり落ちるように・・・・・・最後はどうオトすんだよこの展開,『オレたちの本当の戦いはこれからだ!』とか叫んでワゴン車ごと公安に突っ込んだりするのか?とか思ってたら.
ゲームブックから始まった宗教小説は,微妙にヤな感じの残るバッドエンドに終わったのでした.
『将来は進行宗教のNo.4ぐらいに落ち着いてマッタリくらしたいなぁ』なんてモラトリアマーなことを考えてたワタシですが,宗教はじめるってことはホンマモンを相手にするってことで,そのへん,割り切って信者を騙すことも出来ず,自分まで騙してアッチの世界に行っちゃうことも出来なかった主人公の鈴木元課長が不幸になっちゃうのは当然の帰結と見るべきなのでしょうかね.
上巻では比較的大人しかった信者の皆さんが,団体の収斂に伴ってどんどん先鋭化していく様は異様な迫力があって怖かったっすё
そんなわけで読後感はともかく,小説としてはかなりの出来.正直,最初の設定がアレすぎてあんま期待してなかったんですが,いい意味で裏切られた感じ.
ただねぇ,終盤はホント悲惨でして.途中にハーレム展開もありますよっ!って書いちゃってもウソじゃないんだけど,あんなに嬉しくない乱交シーンに遭遇したのはダーコーヴァ以来です尿.
- 結論
てなわけで,創土社の酒井編集はすみやかに篠田節子さんとコンタクトを取り『グゲ王国の秘宝』の出版を検討してみるがイイと思います!