★★☆☆☆『革命』読んだんだけどさぁ

田母神事変の頃だったと思うけど,誰かが「自衛隊は一度たりともクーデターなどは目論んだことのない立派な軍隊」みたいなコトを言ってるのを耳にして,『いやちょっとマテ!あったよね,三無事件ってのが』とおもって読んでみたワケですが.
・・・・・・すげー読みにくかった.

革命

革命

少なくとも,前半の「川南豊作一代記」的な部分はもっとざっくり書けよなぁ・・・・・・と.
戦後,安保闘争左右仲良く戯れてた時代,韓国の軍事クーデターを目の当たりにした川南豊作.
戦中に造船業で急成長はしたものの,終戦後は銀行に融資を断られ資金がショート,社内では労組が騒いで業務はストップ・・・・・・まぁどっちの件にも,背後にライバルの大手造船の影が見え隠れしてるんですが,対する川南社長がたどり着いた結論が・・・・・・
『全てアカが悪い!このままでは日本はホロン部共産党より先にワシが先に国会を制圧して日本を変える!三無主義で!』
ちなみに三無主義とゆーのは,「さんゆうしゅぎ」と読むそうで,無税金,無失業,無戦争を実現すれば日本を立て直せる,というものでして.一見すると妄想ですが,内容を詳しく読んでみると・・・・・・やっぱり妄想でした.
とはいえ,行動力と資金に関してはかなりのものを持つ川南社長,部下を組織し,旧軍人を集め,ウヨ系な若者を集めた塾を開き,自衛隊に誘いをかけ,韓国軍人から銃を横流しさせ・・・・・・
と,粛々とクーデター計画を進めます.
が.
部下はしょっちゅう病気で寝込み,死にぞこなった旧軍人にはあんまり気骨が残ってないし,塾生は金とメシをせびり続け,自衛隊にはやんわり諌められ,韓国人は口ばっかりでブツを送ってこない・・・・・・
起業力はあれども革命の首魁としては器不足だったとゆーことなんでしょうか,結局準備が整わずにモタモタしてる間に別件で逮捕されそうになり,慌てた公安が事件の全貌を固めきらぬままに身柄を確保して終了しました.
ちなみに押収されたのは『ライフル2挺と6振りの日本刀』・・・・・・なにそれちょっと涙で前が見えないょ・・・・・・
彼らもそれなりに国士様ではあったわけですが,晴れての破防法適用第一号の栄誉に輝くことになったのでした.
オウムにすら適用されなかった,アカ狩り専用の法律だったのにねぇ・・・・・・
ちなみに,当時の左巻きが人権的観点から破防法適用に反対した,という記録は残ってませんなぁ( ̄▽ ̄)
あとこの本では自衛隊はまったく誘いに乗らなかったことになっていまして,実際逮捕された自衛隊関係者もいなかったようです.えぇ,川南一党と接触した自衛隊員がその後軒並み干されたのは全くの偶然なんでしょう,多分.